あきる野の「玉泉寺」(あきる野市二宮、TEL 042-558-2918)で毎月28日に開かれる「そば打ち」教室が評判を呼んでいる。
主宰するのはあきる野市在住で植木職人の石川典宏さん(79)。50年ほど前のある日、母親が作ってくれたそばの味を再現しようと見よう見まねで、そば打ちを始めた。
専門の本などが出ていない当時。その奥深さに魅了された石川さんは試行錯誤を繰り返し、独学で学んだ。そば粉もさまざまな種類を試した結果、「朝と夕方、霧が舞う畑で育ったものが香り高くうまい」と、群馬県の赤城山近くにある農家から直接仕入れてきた。
同寺の役員だった石川さんは年に一度の集まりの際に、そばを提供したところ、「うまい」「教えてほしい」と声が寄せられた。これを受け4年前から、そば教室を定期的に開催。「教室で作ったら他の店で食べられなくなる」と口コミが広がり参加者が増えていった。参加者の一人、細谷俊夫さんは「水の入れ方一つで失敗するので本当に難しい。だけど自分で打ったそばを食べるとやめられない」と笑顔で話す。
参加費は、石川さんこだわりのそば粉の材料費500円のみ。「商売じゃないから、こだわれるんだよ」と石川さん。「自分で研究して作ったそばは格別。皆さんに体験してほしい」と目を細める。
教室に関する問い合わせは同寺まで。