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日の出町の「理容室後藤」開店25周年 バリカン・はさみと歩んだ半世紀

開店25周年を迎えた「理容室後藤」

開店25周年を迎えた「理容室後藤」

 日の出町大久野に店を構え、常連客の髪と心を整えてきた「理容室後藤」が9月15日、開店25周年を迎えた。店主の後藤信彦さんは、理容師としてはさみとバリカンを握り続けて半世紀。後継者不足や組合離れなど業界を取り巻く環境が厳しさを増す中、一徹に職人の道を歩んできた。

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 理容の道を志したのは50年前。あきる野市伊奈の「田野理容室」で修業を積み、職人としての基礎と技術、接客をたたき込まれた。土曜・日曜が仕事。若い時は友だちとの時間が合わず、つらかった時もあったが、師匠の田野輝男さんから口酸っぱく言われた「お客さまを第一に考えろ」の言葉は忘れない。師匠から離れ、2001(平成13)年に現在の地に自分の店を構えた。 

 理容の道に身を置く中で、理容業界は大きく変化した。近年は後継者不足によって看板を下ろす同業者が後を絶たず、地域のつながりを支えてきた東京都理容生活衛生同業組合西多摩支部への加盟も減少の一途をたどる。かつて共に業界を盛り上げた仲間の店が姿を消していく寂しさを抱えながらも、「だからこそ、自分の店を頼りにしてくれる人を大切にしたい」と後藤さんは感じている。

 同市伊奈の佐藤元昭さんもその一人。小学生の時から田野理容室と理容室後藤に通ってきた。「仕事が丁寧。人柄がよく、くつろげる」と話す。

 喜びであり、原動力となっているのが、2代、3代と世代を超えて通い続けてくれる常連客の存在。「かつて親に連れられて訪れた子どもが、今では自分の子どもを連れてきてくれる。家族の成長を一緒に見守らせてもらえることが何よりうれしい」と目を細める。

 頭の形や髪の生え癖を見て、ミリ単位でバリカンを動かし、はさみを刻み、かみそりを滑らす手つきは、長年の経験により迷いがない。

 25周年という節目を迎えても、後藤さんの姿勢は同じだ。「まわりの環境が変わっても、やるべきことは変わらない。体が動く限りは続け、これからも地域の憩いの場でありたい」と、年季の入った道具を見つめながら語った。

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