日の出町は、日の出山(標高902メートル)山頂付近にある山小屋風宿泊施設「東雲山荘」の再開に向けて動き出した。町への直接寄付のほか、町として初のクラウドファンディング(CF)を10月1日に始め、耐震補強・改修工事費として700万円を募る。
東雲山荘は1937(昭和12)年、当時の東京府が景園地整備の一環として建設。約90年にわたり登山者やハイカー、青少年らに利用されてきた。屋根にトラス構造風の洋小屋、下部に和小屋を取り入れた特徴的な建築で、「昭和レトロガラス」とも呼ばれるゆがみのあるガラス窓など、建設当時の姿を伝える箇所も残る。
2012(平成24)年11月には、当時皇太子だった現在の天皇陛下が昼食と休憩のため立ち寄った。館内には当時座った椅子も残されている。
一方、建物が現在の耐震基準を満たしていないことから、2023年4月から利用を休止。町には再開を望む声が寄せられており、観光資源や歴史的建築物として保存・活用するため、耐震化を進めることにした。
改修は2026年度に設計、2027年度に施工し、2028年度の宿泊利用開始を計画する。山頂付近という立地から、資材運搬などに課題があり、通常の工事より費用がかさむことも見込まれる。
CFは、さとふるクラウドファンディングサイト、「CAMPFIRE」などで、最低額は3,000円。1万円以上の寄付者には、承諾を得た上で氏名を一覧にして山荘内に掲示する。寄付者にはポストカードを贈る。
町は、御岳山から日の出山を経てつるつる温泉へ向かう人気のハイキングコースとの相乗効果も期待。山頂からの夜景や日の出を楽しめる宿泊施設として、観光振興や周辺地域の活性化につなげたいとしている。
募集は2027年2月26日まで。問い合わせは同町企画財政課地方創生係(042-588-5043)まで。