学ぶ・知る

昭島市が「気候市民会議」 住民らが検討、環境基本計画に反映

法政大学名誉教授の田中さんが「気候変動問題の現状と将来、その対策」をテーマに基調講演を行った

法政大学名誉教授の田中さんが「気候変動問題の現状と将来、その対策」をテーマに基調講演を行った

 地球温暖化の深刻化に伴う気候変動の現状と地域の未来を考える「昭島市気候市民会議」が5月31日、同市役所で開かれた。無作為に選出された市民30人が専門家などからの情報提供を踏まえて話し合い、気候変動対策について提言する。市民参加の手法で、提言内容は2026年度に中間見直しを予定する環境基本計画に反映させる予定。

[広告]

 今回は全4回で開く1回目の会議となり、環境政策や地域環境管理が専門の法政大学名誉教授・田中充さんが「気候変動問題の現状と将来、その対策」をテーマに基調講演を行った。温室効果ガス排出削減という「緩和策」に加え、既に現れている影響への「適応策」を地域ぐるみで進める重要性を訴えた。

 田中さんは冒頭で、国内外で頻発する猛暑や線状降水帯による豪雨災害に触れ、「気候変動はもはや将来の予測ではなく、今まさに私たちの生活や健康を脅かす現実のリスクである」と指摘した。国際社会が目指す「産業革命前からの気温上昇を1.5度~2度未満に抑える」という目標について、現状のままでは今世紀半ばにも超えかねない厳しい見通しを示し、「地球規模の協調と、自治体レベルでの主体的な行動が車の両輪となる」と強調した。

 対策として、田中さんは二酸化炭素などの温室効果ガスを減らす「緩和」だけでは限界があると解説。熱中症対策の強化や農作物の高温対策、ハザードマップの確認といった「適応」を同時に進める重要性を説いた。「気候変動の影響は一律ではなく、その地域の地形や社会構造によって異なる。だからこそ、地域に根ざした『適応』の視点が欠かせない」と語り、市民一人一人がリスクを正しく理解し、備えることを呼びかけた。

 続いて同市環境部は、昭島市の年平均気温は1978(昭和53)年から2025年までに2.1度上昇し、真夏日の日数も増加している気象状況を報告。「昭島市気候危機・気候非常事態宣言ゼロカーボンシティ」の取り組みなどを紹介した。

 会議後半は5つのグループに分かれ、参加者それぞれが自身の身の回りの温暖化対策を振り返り、脱炭素・適応の取り組みが進んだ昭島市の将来イメージなどについて意見を交わした。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース