青梅の岩蔵地域でさまざまな体験を提供する「Iwakura Experience(岩蔵エクスペリエンス)」とサンシャイン水族館(豊島区)が11月2日、業務提携を結び、アクアポニックス技術の確立を目的とした共同プロジェクト「アクアリウムファーム東京」をスタートした。
アクアポニックスとは、水耕栽培と水産養殖を掛け合わせた循環型の農法の一種。水槽で飼育される魚の排泄物を水中の微生物が分解し、それらを植物が栄養として吸収することで、浄化された水が再び水槽へと戻る。資源循環の仕組みを利用する環境配慮に優れた次世代の農法として注目されている。
サンシャイン水族館は、自然界における資源循環の仕組みとこれらにより成り立つ食文化について楽しみながら学ぶことができる新たな機会の創出と、展示生物用の餌料の自給自足化に向けた取り組みの一環として館内でのアクアポニックス技術の研究着手を検討していたが、農作物の生産技術に課題を抱えていた。
青梅の農家・繁昌農園が在籍する岩蔵エクスペリエンスは、次世代の農法として注目されるアクアポニックスへの取り組みや、そこから生産される野菜を新たな観光資源として検討する中で、魚の飼育技術に課題を抱えていた。
今回のプロジェクトは、そうした互いの強みを提供し合い、サンシャイン水族館と青梅市岩蔵地域の環境が異なるそれぞれの場所でアクアポニックスを利用した野菜の栽培と魚の飼育を目指していくため企画された。
岩蔵エクスペリエンス代表の本橋大輔さんは「私たちは農家と連携してこの地域の付加価値の向上を目指している。アクアポニックスも未来の一つの農業の形として挑戦したいと思った」と話す。今後、アクアポニックスで収穫された野菜の販売やアクアポニックス体験なども予定する。