
日本航空高校石川「ウィングダンスカンパニー」(ダンス部)が3月2日、青梅市の吉野梅郷で開催された観梅市民まつりに出演し、元気あふれるパフォーマンスを披露し、大きな拍手が送られた。
能登半島地震の影響で日本航空学園が同市長淵に移転して4月で1年になる。部員たちは新しい環境の中でこの期間、公演、イベント出演、動画配信に取り組んできた。
部員は新2、3年生合わせて25人ほど。同校出身で顧問を務める山本真広さんは元劇団四季で活動。今もグランドミュージカルの舞台などで活躍する。ほか6人の指導者も社交ダンス世界大会の経験者らがそろう。バレエ、ジャズダンス、シアターダンス、ヒップポップ、Kポップ、ミュージカルなどジャンルの枠を越えて演目をマスター。「高いパフォーマンスの公演、イベント発表を目指す」という。
被災後、授業はオンラインとなり、練習はできなかった。活動再開のきっかけは野球部のセンバツ出場。応援に思い切り汗をかき、ダンスのできる喜びに浸った。
昨年4月、青梅に移転。生徒たちは新しい環境の中で学校生活が始まった。梅澤重雄理事長の「学びは止めない」という信念の下、スタジオが整備され、練習環境も整えられた。
ただ、新しい地でつながりが少なく、発表の場を懸念した。だが、心配はほどなく消えた。7月には地元の「友田祭り」に呼ばれ、日中文化芸術祭など国際的イベントにも参加した。
全国的に注目を浴びたのが、日本テレビ24時間テレビへの出演。番組「イッテQ」のダンス部のタレントたちと共演。穴水市出身で副部長の小林愛佳さんは「『能登に届け』と願い踊った」と振り返る。
その後、青梅警察署の秋の全国交通安全運動出動式への参加、青梅市の依頼で多摩川競艇場でのパフォーマンスなどイベントが相次いだ。9月29日には日本航空学園主催の「ドロシーの冒険」のミュージカル公演も成功させた。年が明けて、青梅マラソン開会式や吉野梅郷梅まつりでもパフォーマンスを披露した。
目まぐるしく環境が変わった中での1年について、部長の豊田万葉さんは「能登の人、青梅の人の温かさをかみしめた1年だった。大変な中で、私もみんなも成長できたと思う」と、副部長の田中利季さん、アパエステギ・カツミさんらと振り返る。
昨年12月には、日本テレビのワイド番組「DayDay」の企画「Loveダン」に、学校や青梅市を紹介するダンス動画を投稿した。学園や市庁舎などで撮影。さまざまな面で支援を受けた青梅市職員にも出演してもらい、感謝の意を表した。
顧問の山本さんは「1年間、生徒がよく対応してくれた。そして成長してくれた。環境が変わる中、青梅市と周辺地域の皆さんのおかげで勉強、部活に打ち込むことができた」と感謝の言葉を口にする。