中東、南米、アフリカなど12カ国の駐日大使らが9月24日、銘酒「澤乃井」を造る小澤酒造(青梅市沢井)を訪れ、酒造工場を視察し、利き酒を楽しんだ。
視察を通じて駐日大使らに「サケ」についての知識を深めてもらうことで海外でのビジネスチャンスにつなげるのを目的としたもので、外務省・国税庁、日本酒造組合中央会が共催。バーレーン、アルゼンチン、ベネズエラ、ペルー、エクアドル、モザンビーク、レソト、ウズベキスタン、アルメニア、チェコ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビアの12カ国23人の在京大使夫妻らが参加した。
東京に酒蔵があること、300年以上の酒造の伝統があること、併設の直営店で和食を提供できることなどから小澤酒造が視察の対象に選ばれた。案内には第22代当主の小澤順一郎社長が当たり、大使ら一行は説明を聞きながら酒用米と食用米の違い、蒸し、仕込み、絞りなど酒造りの工程とともに、江戸時代の古い酒蔵や12個の仕込みタンクが並ぶ平成蔵などを見学した。説明を聞いたチェコ大使のトマーシュ・ドゥプさんは、「製法はワインに似ている。ハイテクな施設に驚いた」と感想を述べた。
利き酒会は隣接する直営店「ままごと屋」で開かれた。バーレーンのハリール・ハッサン大使は並んだぐい飲みで利き酒を楽しんだ。「サケを花に例えたら」という質問に破顔一笑して、「高貴な青いバラの味だ」と褒めたたえた。