
青梅市在住の大倉十彌也(とみや)さんが9月10日から、82歳で初の個展となる「思い出のスケッチ展」を「ぎゃらりーカフェはこ哉」(青梅市西分)で開催する。外国や国内で描いてきた1号~4号のスケッチ画を、前期・後期に分け40点ほどを展示する。50冊に上るスケッチブックも公開する。
1967(昭和42)年、大学4年のとき、文科省(当時文部省)主催の海外派遣事業で青梅市から選ばれ欧州を巡った。現地でレターセットを買い、ボールペンと色鉛筆でスケッチを始めた。翌年、青梅市職員に。社会人になってからもスケッチブックは傍らにあり、いつしか道具はサインペンと水彩絵の具になっていた。
同市郷土博物館管理係長時代に、「桶(おけ)、樽(たる) その伝統と桶職人の技術」を刊行した際は、おけなどの道具を小まめにスケッチし、絵の腕前が大いに役立った。
スケッチ画を描いて気がつけば58年。国内は津々浦々、外国は南米、オーストラリアを除いて足を運んだ。名だたるアメリカ歴代大統領の顔が刻まれたマウント・ラシュモア、エジプトの世界遺産アブ・シンベル神殿、ジョン・レノンが最後に住んでいたマンハッタンのダコタ・ハウスなどは印象に残る作品になったという。
個展の案内はがきには青山(港区)のジャズクラブ「BLUE NOTE TOKYO」のスケッチを選んだ。2004(平成14)年、長女でバイオリニストの大倉めぐみさんが世界的なジャズ・テナーサックス奏者のマイケル・ブレッカーさんと共演した店でもある。
作品には宴会やパーティーの際の料理を描いたものもある。後期には、こうした作品も展示する。
「青梅うんちく散歩」のガイド役や「青梅再発見」の著者でも知られる大倉さんは「とりとめもなく描いた、点で残したような記録が、続けることによって形になった喜びを感じる。絵は人生を文化的に豊かにしてくれた」と振り返る。
開催時間は10時~18時(15日・16日は定休)。入場無料。9月21日まで。