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映画「ひみつきちのつくりかた」公開 監督が幼少期過ごしたあきる野で全編ロケ

初老の男性 4 人が少年時代に夢見た「ひみつきち」作りに没頭する物語(写真提供= emir heart Inc. コピーライト: ? 2025 emir heart Inc.)

初老の男性 4 人が少年時代に夢見た「ひみつきち」作りに没頭する物語(写真提供= emir heart Inc. コピーライト: ? 2025 emir heart Inc.)

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 あきる野市出身の板橋知也さんが監督した長編映画「ひみつきちのつくりかた」が、7月18日~26日に川口で開かれた「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025」のコンペティション部門観客賞を受賞した。

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 作品は、全編、板橋さんが幼少期を過ごしたあきる野市で撮影を敢行。記憶の断片を拾い集めるように自身の原風景を切り取り、パーソナルでありながら、見る者のノスタルジーを強く刺激する作品が完成した。

 友の突然の死をきっかけに再会した、それぞれ違う人生を歩んできた初老の男性 4 人が、少年時代に夢見た「ひみつきち」作りに没頭する物語。「大人になりきれなかった」という板橋さんが自身の内面を 4 人の登場人物に投影し、「何歳になっても、心の奥底に宿る子どもの側面」という普遍的なテーマに挑んだ。

 同映画祭審査員のクーン・デ・ローイさんは「丹念に紡がれたシーンとせりふは、4 人の登場人物それぞれの内面に観客をいざない、彼らが歩んできた道のりを理解するにつれて、自然と深い共感が生まれてくる。作品はより多くの人々に見ていただくのにふさわしい映画」と評価した。

 板橋さんはあきる野市で生まれ育ち、24歳まで暮らした。ロケでは、監督が幼少の頃から過ごしてきた同市の情景と板橋さんの実家や祖母の家も使った。

 東放学園映画専門学校映画制作科(現東放学園映画アニメCG専門学校)を卒業。高校時代に「WE LOVE トンボ」絵画コンクール金賞、世界絵画大賞展優秀賞などを受賞し、映画の道へ進んだ。2020 年の短編映画「ある母」は、門真国際映画祭 2020 最優秀脚本賞、第6回立川名画座通り映画祭グランプリを受けるなど国内の映画祭で高い評価を得てきた。

 板橋さんは「がむしゃらにエンターテインメントな映画を目指して作った作品。投票によって選ばれる観客賞は、何より楽しんでもらえた証し。それだけに大変うれしい。楽しく笑える作品だが、友人の死から始まるこの物語は、人生や死生観を少し重ねて考えてもらえるような作品で、見終わった後には前向きになれる希望に満ちた作品でもある」と紹介する。

 同作は8 月 1 日から、下北沢のシモキタ・エキマエ・シネマ「K2」(世田谷区)で上映。板橋さんは公開前日の7月31日、中嶋博幸あきる野市長を表敬訪問し公開を報告した。

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