
2023年3月に発表された「御岳慕情」を、奥多摩生まれ奥多摩育ちの歌手、原大五郎さんがカバーし、7月末に発売する。既にレコーディングを終え、CDが間もなく完成する。
「御岳慕情」は青梅の御岳渓谷や御岳山を舞台に男のいちずな恋心を描いた歌。青梅市沢井でユズ農家を営み2022年12月に82歳で亡くなった市川健一さんが作詞・作曲した。CD制作の話が進む途中で市川さんは体調を崩し、帰らぬ人になった。「CDにして多くの人に聴いてほしい」という希望をつなぎ、家族がCDを制作した。
「さがし歩いて 多摩川の しぶきに濡(ぬ)れてる遊歩道 今日も一人で 空見上げれば 紅葉に映える 紅葉に映える あーあー御岳橋」
3番まである軽快な歌謡曲で、寒山寺や射山渓(しゃざんけい)、御岳山などの地名が盛り込まれたご当地ソング。この歌にほれ込んだのが原さん。「奥多摩ふれあいまつり」などで歌謡ショーを開き、活動の場にする原さんは「御岳慕情」を何度も歌ってきた。「CDにできれば」と市川さんの長男、泰博さんに相談。承諾を受け、カバーが決まった。
原さんは「本当にいい歌なので、皆さんに聴いてもらい、地域の盛り上げに一役買いたい」と話す。カップリングはオリジナル曲の「感謝」。CDの価格は1,200円。