全国農協観光協会(千代田区外神田)が主催するツアー「快汗! 猫の手援農隊」の一行12人が11月22日、羽村市羽中の根がらみ前水田でチューリップの球根植え付け作業を行った。
市内唯一の同水田では、コメの裏作を利用してチューリップを栽培している。町を花で彩ろうと、地域の農家が立ち上がり、チューリップの球根を育てている。今では2.5ヘクタールの水田に40種類、約35万球のチューリップが咲き、春の風物詩となっている。
11月に行われる植え付けは手作業で行うため多くの人手を必要とし、地元の保育園や商工会青年部・女性部など幅広い立場の人が参加している。
一行は9時に羽村駅前の同市観光協会に到着。ガイドの案内で羽村の堰(せき)や玉川上水などを巡りながら30分ほどで水田に到着。植え付け作業に汗を流した。600坪の田んぼに1万7000球を植えた。
昼は「のんびりカフェ中車水車小屋」で地元産野菜の食事を楽しみ、午後はタマネギの植え込み作業を行った。
西東京市から参加した津島滿子さんは「農業に携わりたいとずっと思っていて、きっかけをつくりたいと参加した。土の感触を素手で感じ、絶対やりたいと思った」と話していた。
羽村市チューリップ生産組合長の清水亮一さんは「こうした取り組みで羽村のチューリップがより多くの人に認知され、訪れる人が増えればうれしい」と話す。
猫の手援農隊は1999(平成11)年に始まり、高齢化などで人手不足に悩む全国の生産地を支援。今年も青森県板柳町のリンゴ収穫作業を行うなど農業への協力と理解の輪を広げている。
根がらみ前水田のチューリップは4月に咲き誇り、「はむら2026花と水のまつり」の後半の主役として観光客を迎える。