武田信玄の息女、松姫と檜原村の関係について調査し、地域おこし活動をする檜原村松姫研究会が動画「新檜原村紀行 古甲州街道・浅間尾根を馬と歩く」を制作し、9月15日、ユーチューブで公開した。
古甲州街道はかつて江戸と甲州を結ぶ道として多くの人が行き来し、村の物流の大動脈となってきた。武田家滅亡の際、古甲州街道を通って松姫が八王子に落ち延びたとの手掛かりもある。
動画ではこうした歴史を忍んでもらい、豊かな自然が残る道が今は多くの登山者に愛されていることを、会員の森下晴男さんが作詞作曲した「時坂の夏」の歌に乗せ紹介している。
同会世話人代表の吉本昂二さんと森下さんらメンバーは、払沢の滝バス停から数馬の浅間登山口バス停までの約12キロを1日かけて歩き、馬頭観音や小さな祠(ほこら)、眼下に広がる集落など古甲州街道の魅力を15分の動画にまとめた。美しい自然もドローン撮影で空から追った。
撮影・編集を担当した森下さんは「馬頭観音が3つもあった。物流で馬が果たした役割は大きく、昔の人は馬を家族のように思っていたのだろう。タイトル通り、動画では馬が案内役を務めている」と話す。
同会はこれまで講演会や歌のイベントなどを通し、松姫を中心に村の魅力を発信してきた。新型コロナウイルス感染拡大で人の集まりが制限される中、動画は活動継続の思いも込め制作した。