多摩の美味(うま)いもん振興実行委員会が1月16日、福生の石川酒造(福生市熊川)で3回目となる「3ゾー会」を開催した。
「笑顔とありがとうとドラマのある店づくり」をテーマに、昨年10月から3回にわたり地元の生産者と飲食店を結びつける場として企画されてきた同会。今回は25人が出席。同酒造の歴史を学びながら蔵見学をした後、生産者の素材提案、試食、ディスカッションを行った。
今回、素材提案として出されたのは、奥多摩やまめと奥多摩あわび茸、奥多摩生しめじ。奥多摩やまめは1998年、東京都水産試験場奥多摩分場(現在の奥多摩さかな養殖センター)が開発。通常2年で産卵し一生を終えるが、奥多摩やまめは3年、4年と成長を続け、40センチ~50センチの大きさとなり、肉質も良くなる。舌に絡みつく独特の触感が特徴。
奥多摩あわび茸と奥多摩生しめじは、奥多摩プレミアきのことして、生産者・小川きのこ園の小川雄吉さんが36年にわたり研究を続け作ったもの。菌床に使う米ぬかは、全国から取り寄せた30種類の米からえりすぐった茨城県の有機米を使い、水も地下500メートルからくみ上げた天然水で栽培する。豊かな香りと、しっかりとした触感が特徴。同園では生産期間も半分に短縮し、賞味期限も伸ばす独自の生産方法で栽培を続けてきた。
その後、それぞれの素材が調理された押し寿司やそばを試食。参加者から感嘆の声が上がった。小川さんはこれまでの試行錯誤の経緯に触れ、「本物のこだわりには、それ相応の努力と勉強が必要。成功した時には何物にも代えがたい感動がある」と話した。
同会事務局は「今回の素晴らしい素材が、一般の方にメニューとして楽しんで頂くことに期待したい」と話している。