
羽村市にゆかりがある漆芸家の並木恒延さん、木工芸家の五十嵐誠さん、面打ち師の新井達矢さんによる合同展覧会が8月12日、羽村市プリモホールゆとろぎ(羽村市緑ケ丘1)で始まった。主催は同市教育委員会。
並木さんは蒔絵(まきえ)、螺鈿(らでん)、卵殻(らんかく)といった漆芸の伝統的な技法を用いて、絵画的な表現で独自の世界を切り開いた。2018(平成30)年に「月出ずる」で第75回日本芸術院賞を受賞した。
五十嵐さんは針葉樹を彫るという独自の技法を確立。「彫りやすい合理的な材料」を使わないことで今までにない作品を生み出した。2021年に第68回日本伝統工芸展で新人賞を受賞した。
新井さんは室町時代から受け継がれてきた面を忠実に再現するほか、能楽師や美術館からの依頼を受け、修復も行っている。
同展開催を記念し、作品の魅力を伝えるために市民による三人展図録製作委員会が立ち上がり、図録1500冊を制作した。各作家と羽村の関わり、作家の略歴、作品紹介などを掲載している。
同委員会代表の武政健太郎さんは「3人は羽村市が誇る作家。心血を注いで制作した作品を展覧会で多くの市民に見てほしい。図録も多くの皆さんの協力をもらい立派なものができた」と話す。
開催時間は10時~17時。入場無料。8月24日まで。