
市民企画講座「『青い目の人形』と戦争中の子どもたち」が7月21日、あきる野市中央公民館(あきる野市二宮)で開かれ、市議4人を含む市民ら82人、学校関係者18人が参加した。同館が主催し、平和都市宣言の会が企画・運営した。
同市は2024年3月、「市自らが、戦争の悲劇を繰り返さず、核兵器の廃絶と世界の平和を訴え続ける必要がある」とし、議会の議決を経て「あきる野市平和都市宣言」を制定した。同講座は、この宣言を深化させ、広めるのが狙い。
「青い目の人形」は98年前にアメリカのギューリック博士らから日本に両国間の親善を目的に1万2000体ほどが贈られた。そのうちの1体が15年にわたる戦争の時代を超え、旧市立戸倉小学校に保管されていた。
講座では、この人形の歩みと悲惨な戦争が子どもたちにもたらした不幸の歴史を、同会共同代表の中村清作さんが描いた歴史再現画と共に紹介。都立五日市高校演劇部の永井陽望さんが詩「私が一番きれいだったとき」(茨木のり子)と「あきる野市平和都市宣言」を朗読。同校吹奏楽部と東海大菅生高校中等部合唱部が歌と演奏で平和への思いを伝えた。
中村さんは「戦争中に大変な体験をした先輩たちの思いが心に迫ってきて、歴史再現画が形になった。今の世界や日本を見て、ここでしかできない、次世代にバトンタッチできる場をつくりたいと取り組んだ。たくさんの中高生が出演してくれ、多くの参加者と思いが共有できて良かった」と話した。