
東京都内の最高峰・雲取山(2017メートル)に「五十人平野営場」(奥多摩町)が4月29日にオープンした。場所は多くの登山者が往来する山頂に近いルート沿いで、都が整備した。
2019(平成31)年3月、老朽化に伴い「旧奥多摩小屋」が閉鎖された。テントサイト、トイレ、管理棟・休憩舎から成る同野営場は登山者の安全確保と自然環境の保全を目的に、旧小屋の周辺に整備した。
トイレの排せつ物は、そば殻にかくはんした微生物が処理するバイオトイレで、施設で利用する電源は太陽光発電を利用するなど、環境に配慮した。
標高の高い山岳での工事は、施工条件や資材運搬などさまざまな困難を伴ったという。工事を請け負った東山園(青梅市根ケ布)の飛田雪人社長は「天候に左右されるほか、資材は全てヘリコプターで運搬しなければならず、可能な限り減量した。工程管理が大変だったが、登山者の安全を守る施設が無事に完成してほっとしている」と話す。
オープン当日は奥多摩駅前、福祉会館前、奥多摩ビジターセンター、登計園地入り口広場で「オープンまつり」が行われ、地元関連団体などのブース出展、多摩産材の木工製品物販、地元食材のキッチンカーなどが繰り出し、多くの人でにぎわった。
テントサイトの利用は完全予約制で、専用予約サイトから申し込む。施設利用協力金はテントサイト1人1泊2,000円(事前予約時に電子決済)、バイオトイレは1回100円で、トイレ前設置の募金箱に現金で納める。