奥多摩の小川きのこ園と青梅の川口農園が1月、港区内で開かれた試食会イベント「ドコスコ!」に創作料理を提供しPRを行った。
「ドコスコ!」は、国産、手作り、無添加にこだわり一般にはなかなか流通しない限定グルメを、消費者にダイレクトにつなぐことで、生産者を支援する目的で開催される試食会。リアルな試食会とウェブ直販を行い、試食会は今回が6回目となる。
小川きのこ園(奥多摩町梅沢)は奥多摩の山間地域で希少なキノコを栽培。菌床に使う米ぬかは全国から取り寄せた30種類の米からえりすぐった茨城県の有機米を使用。水も地下500メートルからくみ上げた天然水を使っている。独自の生産方法で生産期間を半分にし、賞味期限も長い。
川口農園(青梅市成木)は、日照時間も短く、寒さも厳しい山間地域にある農園。霜で浮き上がった野菜は都度、植え替えるなど、一つ一つ丁寧に生産する傍ら、工夫を凝らし、市場に出ない珍しい野菜を中心に100種の野菜を栽培している。
当日は、小川きのこ園のわさびきのこ、生シメジが、川口農園のオレンジ白菜(黄芯)、赤キャベツ、辛子水菜、カリフラワー(ロマネス種)、芽キャベツなどを素材として調理し、創作サラダやホイル焼きなどを試食用に用意した。中でもベーコンと合わせ、調味料を一切使わず、素材のみから出たうま味で作られたポトフ風のメニューには、来場者から驚きの声が上がった。
同イベント主催者・代表の千葉寧さんは「素材ごと丁寧に栽培されていることが伝わる味。決して好条件とは言えない環境の中、家族経営でここまでできることに日本の農業の強さを感じた」と話す。