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福生の酒蔵、150周年記念で復刻酒を販売-新撰組との史実も明らかに

石川太郎さんと復刻酒「たまの八重桜」

石川太郎さんと復刻酒「たまの八重桜」

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 福生の酒造「石川酒造」(福生市熊川、TEL042-553-0100)が10月1日、来年迎える150周年を記念して造った復刻酒「たまの八重桜(やえさくら)」を発売する。

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 酒質は現代風のものとしたが、ラベルは当時のデザインを使った。素朴な純米酒は試飲会などで「落ち着く味」と評され、同酒造の石川太郎社長は「逆に最も石川酒造らしい味なのでは」と話す。

 同酒造を経営する石川家は、徳川幕府が開かれた1600年前後より同地(当時の熊川村)の名主を請け負っていたといわれ、幕末期の1863年より、余った米で酒造りを始めたことで石川酒造が誕生。当時、川向かいの小川村で名主をしていた小川家の酒蔵を借り醸造していたため、小川家の銘柄「八重菊」にちなみ「八重桜」として販売を始めた。

 同酒造の誕生と同年同月、多摩地域の若者で結成された新撰組。昨年、同酒造を天然理心流心武館の大塚篤館長が訪れた際、新撰組との因果関係を知らされた。

 新撰組を生んだ天然理心流の道場を支援する賛助会員の筆頭に、当時の石川当主の名前が刻まれており、古くからの支援者だったことが判明。昨年、現17代当主も先祖同様、賛助会員の筆頭に名を連ねた。18代目となる同酒造の石川太郎社長は「最後は遠くバラバラに散った義兄弟の魂が一つにたどり着ける場所を」と大塚篤館長に申し入れ、現在、敷地内の酒造に同館道場を開く準備も進めている。

 「創業150年となる年、こうした歴史的な事実を知ったことに運命的なものを感じる」と石川さん。「日本の文化や歴史と共に、この150年前の復刻酒を楽しんでほしい」と参加を呼び掛ける。

 同酒造では10月27日、「秋の八重桜を愛(め)でる会」を開催。第1部は料理研究家・やまはたのりこさんの講話「酒かすの健康・美容効能・酒かすを楽しむ話」を、第2部は蔵見学を、第3部は「たまの八重桜」を味わう会食を、それぞれ行う。会費は7,000円。11時30分より受付開始。参加者全員に土産が付くほか、着物で来場すれば特典も用意する。申し込みは同酒造まで。

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