戦争を後世に伝え平和の尊さを考える「平和のつどい 市民が語り継ぐ昭和」が8月18日、福生市民会館(福生市福生)で開かれた。市民ら約150人が参加した。
福生市が1988(昭和63)年から毎年「終戦の日」に合わせ開いている「平和のつどい」。今年は「私の少年時代」と題し、市内在住の森田雅幸さんが、勤労奉仕で軍用機の部品作りなどを行った少年時代の体験を語った。
森田さんは世界恐慌が起きた1929(昭和4)年生まれ。6歳の時には父親に連れられ2.26事件直後の事態を首相官邸前で目撃した。軍国主義に傾き、米英と開戦した真珠湾攻撃を伝えるラジオ放送は今も耳に残るという。
戦局が厳しくなるにつれ、軍事教練が厳しくなった。勤労奉仕として陸軍航空工廠(こうしょう)で働き、空襲も体験。防空壕(ごう)から見上げた空ではB29を迎え撃つ日本の戦闘機との空中戦も見た。玉音放送は自宅庭で聴いた。
「戦後、日本は大国の仲間入りを果たした。その中で戦争を放棄した国は日本だけ。平和のために果たす役割は大きい」と結んだ。
講演に先立ち加藤育男市長は「戦後79年がたち、戦争を語れる人は少なくなっているが、福生市は80年基地に隣接してきた街。だからこそ平和の尊さを伝えていかなければならない」と呼びかけた。
講演に次いで同市在住のシンガー、もんでんけんじさんのグループ「4pc」によるコンサートが開かれ、「平和の歌」「東京ブギウギ」などを披露。司会などの運営は伊東穂さんら5人の、都立福生高校、都立多摩工科高校の生徒が担当した。