2021年12月に81歳で亡くなった青梅市出身のレスラー、ストロング小林(本名・小林省三)さんの功績をしのぶ「ストロング小林展」が12月15日から、地元の西友河辺店(青梅市河辺町10)ボッパルトホールで開催される。3回忌を前に実行委員会が企画した。プロレス美術館(京都市左京区)が協力する。
小林さんは1940(昭和15)年、東京・本郷生まれ。戦争で青梅に疎開し、同市で育った。高校卒業後に国鉄に入社し、南武線の稲城長沼駅へ勤務。25歳の時にボディービルの会場で国際プロレスの吉原功社長にスカウトされ入門。1967(昭和42)年、日本人初の覆面レスラー「覆面太郎」としてデビューした。その後、素顔となりリングネームを「ストロング小林」に改名。欧米のマットを転戦し、実績を残した。凱旋後は国際プロレスのエースとして活躍。1971(昭和46)年にはIWA世界王座を奪取した。1974(昭和49)年3月、蔵前国技館でアントニオ猪木戦に臨んだ。1975(昭和50)年には新日本プロレスに入団し新日本のリングに立ち続けたが、1981(昭和56)年から腰痛を悪化させ長期欠場に入り、1984(昭和59)年、福生市体育館での試合を最後に現役を引退した。
展示内容は、写真約80点、試合で着用したガウン、タイツ、米国でのブルーノ・サンマルチノ戦などを含む国内外での複数のパンフレット、ポスター、等身大のパネルなど。会場ではストロング小林対アントニオ猪木戦のVTR上映も予定する。
実行委員長の持田一博さんは青梅市柚木在住で、プロレスファン歴50年。小林さんが青梅市に住んでいることを知り、中学1年の時に知人の紹介で面会。亡くなるまで公私ともに親交を重ねてきた。「ボディービルで鍛えた体は多くの外人レスラーを凌駕(りょうが)し、怪力殺法でファンを楽しませてくれた。リングを下りれば、それは優しい、良心的な人だった」と小林さんの魅力を語る。
同展開催に関しては、小林さんの遺族が全面的に協力したほか、元新日本プロレス営業部長の新間寿さん、プロレス美術館の湯沢利彦さんの支援が大きかったという。持田さんは「多くの方々、中でも青梅の方に見てもらい、『こんなすごい人が自分たちの街にいた』ことを誇りに思ってもらえたら」と話す。
開催時間は10時~18時(最終日は17時まで)。入場無料。同19日まで。