タクロン・チーバー普及協会が「五日市憲法草案」を起草した中心人物の千葉卓三郎を紹介した手ぬぐいを作り、10月20日から有料で販売している。人権思想を色濃く反映する原文の一部や卓三郎の人物像と履歴などが書かれ、一本の手ぬぐいで同憲法と卓三郎の大略が理解できるようにした。
卓三郎のニックネームを名にした同会は、卓三郎の功績と同憲法の素晴らしさを広く社会に知ってもらおうと西多摩を拠点に昨年発足。卓三郎の出身地である宮城県栗原市にも賛同するグループが誕生し、連携して活動を展開している。
手ぬぐいは長さ90センチ、幅35センチ。「日本国民ハ各自ノ権利自由ヲ達ス可シ 他ヨリ妨害スル可ラス且国宝之ヲ保護ス可シ」と原文の一部を最初に印し、「ちばたくさぶろう」の一文字ごとに、「ち」は「知識だけでは作れない!戊辰戦争で敗れた経験や投獄された経験が生きる憲法草案」などと短文で卓三郎の生涯と人物像を紹介している。デザインは同会代表の羽村幸子さんが手掛けた。
同憲法草案は1968(昭和43)年、五日市町の深沢家の土蔵から見つかった。1881(明治14)年に書き上げられた民間の憲法私案の一つで、204条から成る。言論や思想の自由、人民の政治参加、義務教育を受ける権利を盛り込むなど現行の憲法に通じる、当時としては先進的な憲法案とされる。2013(平成25)年に美智子上皇后(当時は皇后)がその素晴らしさに言及し注目された。
羽村さんは「手ぬぐいが普及に役立てばうれしい。五日市憲法ファンの方々に購入していただき、普及活動に弾みを付けたい。会の夢は五日市憲法と卓三郎がNHK大河ドラマで取り上げられること」と話す。
価格は770円。問い合わせはタクロン・チーバー普及協会(takuron@t-net.ne.jp)まで。