多摩川川下り事業者組合は6月22日、御岳渓谷で川下りしながらゴミを拾うリバークリーンを実施した。加盟する事業者からインストラクター21人が参加。上流の御岳苑地から下流の柚木の河原までの約5キロで、52キロほどのゴミを回収した。

　景観美しい御岳渓谷だが、近年、バーベキューや川遊びした人の放置ゴミが問題となっている。ガイドとして川下りをしていると、いや応なしに目に入るゴミ。事業者で連帯して自然を守ろうと、組合はリバークリーンを定期的に実施している。コロナ禍は開催を自粛。約1年半ぶりの開催となった。

　リバークリーンの輪の中心に立つのは、事務局長を務める「みたけレースラフティングクラブ」代表の柴田大吾さん。「川下りとゴミ拾いの相性は抜群。みんなで急流を越えてゴミを探すうち、不思議と連帯感が生まれ、笑顔になる」とリバークリーンの魅力を話す。

　水面をゆっくりと進み、それぞれが川岸や川底に見つけたゴミを拾う。草むらを掻き分け、岩を越え、ゴミを拾って再びボートに乗り込む。「たくさんあった」「ナイスピック」。聞こえてくるのはそんな言葉ばかり。みんな笑顔でゴミを拾っている。

　当日はJT八王子支店の社員6人も参加。ゴミ削減につながる事業を検討したいと、シニアトレードマーケターの三枝浩敏さんは笑顔だ。「企業として、課題解決につながるモデルケースを示したい。楽しさが実践のポイントだとリバークリーンで実感した」と話す。

　同組合は、流域でラフティング、カヤック、SUPなどのリバーアクティビティーサービスを提供する17の事業者が加盟する。事業者同士の交流に加え、自治体や地域団体と連携し地域貢献活動にも取り組んでいる。

　「羽田までのゴミを回収したい」と柴田さんは話す。今後もリバークリーンは定期的に継続していく。詳細は多摩川川下り事業者組合のホームページで確認できる。