春日神社(檜原村本宿)で極寒の川に入水する「御とう神事(おとうしんじ)」が3月1日深夜から2日未明にかけて行われる。
同神事は春日神社に伝わる奇祭。「お当番」として選ばれた数人の若衆が、ふんどし一つで極寒の南秋川に入り、六根清浄を唱(とな)えながらみそぎを行って、神様に献上する米を炊く。
神事を記録した御とう帳には1572年以来の記載があり、中世後期にはすでに行われていたようだ。都無形民俗文化財の指定を受けている。
米を炊く火は火打ち石で起こすが、なかなか火が着かず、全員が空振りとなれば再び川でのみそぎが待っている。まれに終了が夜明け近くになることもあるという。