青梅市天ヶ瀬町の鎮守、八坂神社の新社殿が竣工し、3月8日、ご神体を移す遷座式が厳かに行われた。神社・自治会役員と工事関係者ら60人ほどが列席した。
同神社の裏山を都市計画道路青梅3・4・4号線が通ることから、社殿を南側にずらし、移設・新築した。都市計画道路の整備計画は半世紀以上の長い時間を経たが、2022年に動き始めた。神社役員らと東京都との間で用地買収や物件移転補償などの協議を開始。交渉を重ね、合意に至った。
その後は移設新築に向け動きが加速。神社役員と天ヶ瀬町自治会の役員が検討協議を重ね、2024年2月に住民参加の臨時総会を開き、山下裕さんを委員長とする建設委員会設置を承認。再建事業計画、予算案をまとめ、住民の理解を得た上で、同年11月に寄付金の呼びかけを開始。住民の協力により浄財が集まった。
当日は、同神社代表役員で住吉神社(住江町)の梅宮貴史宮司が神事を執り行った。神社責任役員の原嶋和利さん、並木茂さんがご神体を梅宮宮司に預け、遷座を済ませた。この後、原嶋さん、並木さん、天ヶ瀬町自治会会長の成瀬純一さん、建設委員会委員長の山下裕さん、施工の中島工務店の中島慶貴社長が玉串を奉てん。最後は列席者がそろって玉串をささげた。
あいさつに立った原嶋さんは崇敬者、町内外の人たちの協力に感謝を示し、「梅宮宮司の下、ご神体を移す遷座の儀が滞りなくできた。新しくなった社を中心に天ヶ瀬町が安寧で、皆さまの幸せが守られていくでしょう」と願いを込めた。来賓で井上信治衆院議員、森村隆行都議らが祝辞を述べた。引き続き祝賀会が行われ、天ヶ瀬町木遣保存会の木遣(や)りと天ヶ瀬町囃子(はやし)連のおはやしが奉納され、祝いに花を添えた。
同神社の創建年代などは不詳だが、祭神は素戔嗚尊(スサノウノミコト)で、菅原道真公も相殿(あいどの)されている。社は京都の祇園社から分社され、古くから牛頭(ごず)天王社と称し、地域住民から崇敬され、神社前を通る青梅街道を行き交う人々の信仰を集めてきた。1868(明治元)年の神社法の公布により京都の祇園社が八坂神社と改称したのに伴い、同じく八坂神社に改めたという。
新社殿は総ヒノキ造りで、規模は幅2間半、奥行き2間で、軒を含むと43平方メートルになる。建築様式は京都の八坂神社と同じ寄棟平入造り。社殿内を見ると、天王宮の扁額の上のクスノキの天井に雲が彫られ、虹梁(こうりょう)には唐草模様をあしらった。天井全体はスギを使い、奥行きのある折り上げ天井になっている。屋根は銅板ぶき。正面から見上げたときの調和が美しい社殿になった。
長年、神社は奉賛会、自治会などにより守られ、元旦祭や青梅大祭に合わせ開催される5月2日の祭礼などを通し、地域の絆を守っている。
成瀬会長は「今年の青梅大祭では、この新社殿から天ヶ瀬町の山車が出て行く。今から楽しみ」と目を細めた。