
世界的に知られた特撮着ぐるみ怪獣の造形師で、瑞穂町を拠点として創作活動を続けながら2024年10月に亡くなった村瀬継藏さんの追悼特別展が6月21日、瑞穂町郷土資料館けやき館(瑞穂町駒形富士山)で始まった。テーマは「夢をありがとう。カイジュウは貴方(あなた)だ。伝説の足跡」。
追悼展は7月21日までのプレ展示、7月23日~8月24日の本展示の2弾に分けて開催する。プレ展示では、モスラやブースタなどの怪獣、撮影時の村瀬さんの写真、資料などを展示するほか、本展示では、村瀬さんが総監督を務め、昨年公開された映画「カミノフデ~怪獣たちのいる島~」関連の品々を展示する。
村瀬さんは、ゴジラやガメラ、ウルトラマンなどの特撮シリーズに参加し、怪獣の着ぐるみや美術品などの制作に携わってきた。その後、造形美術会社を設立し、1978(昭和53)年に制作拠点を瑞穂町に移転。半世紀にわたって特撮映画製作の現場を支え、2024年には日本アカデミー賞で協会特別賞を受賞した。
村瀬さんと同館の交流は2018(平成30)年ごろに始まり、これまで特別展2回と関連展示数回を開いてきた。「カミノフデ~怪獣たちのいる島~」公開後、3カ月に及ぶ闘病生活の後、鬼籍に入った。享年89歳だった。
同館学芸員の関口健さんは「村瀬さんをしのび、村瀬さん設立の造形美術会社を受け継いだ長男の直人さんらの助力を得て特別展を開催できた。特撮ファンだけでなく一般の人にも観覧してほしい」と話す。
プレ展示はガイダンスホール、本展示は企画展示室で行う。開館時間は9時~17時。会期中8月18日のみ休館。入館無料。