JR武蔵増戸駅前に3月25日、JR東日本が新たに2本の桜の木を植樹した。JRや市関係者、住民ら80人が作業を見守った。
駅前の桜は1925(大正14)年、五日市鉄道が開通したのを喜び、地元で造園業を営む坂本安兵衛が私財を投じて各駅に植えた。同駅の桜も長年にわたり地域を彩り、「安兵衛桜」として親しまれてきた。近年は有志から成る「増戸駅周辺の明るい街づくりを考える会」が地元森ノ下自治会などの協力を得て、開花時期にライトアップも行い、住民や利用者を楽しませてきた。しかし昨年12月、地域住民や乗降客に親しまれながらも老木化による危険除去のため伐採された。
植樹作業は10時に始まり、作業が終わると参加者が集まり記念写真に収まった。同駅を管理する拝島駅の向井照雄駅長は「小さな苗木だが、皆さんと見守って大きく育てたい」、中嶋博幸あきる野市長は「皆さんの力で新しい命を残せてもらった」とあいさつ。
同会の中村裕会長はJRと市の対応に感謝し、「2代目安兵衛となる新しい桜を大切にしたい」と決意を述べた。