あきる野ルピアホール(あきる野市秋川)で8月27日、あきる野マチづくりダイアローグ「秋川流域の多様性~くらし繋がる地域の豊かさ~」が開かれた。
「良いマチは、気持ちよいコミュニケーションコミュニケーションから」をテーマに、市民、事業者、自治体関係者などが集まり、自分たちの住む街についてフラットな場で対話する同企画。4回目となる今回は、秋川流域のあきる野市、日の出町、檜原村を対象エリアとし、各市町村長をはじめ約80人が参加した。当日は各市町村で活動する各事業者が話題提供として取り組みを語り、その後、参加者全員が5人程度の輪になって対話を行う流れで進められた。
「森の幼児園を受け継いだ理由」をテーマに話題を提供した「自然保育 森の幼児園」の印南幸恵さんは「豊かな自然環境の中、子育てができる園の閉園を知り、その魅力を知る保護者たちが主体となって、運営を引き継ぐことを決めた。この地域ならではの唯一無二の園を、未来へと受け継いでいきたい」と、思いを語った。
「この地域でしょうゆを造り続けることができた理由」をテーマに話題提供した。しょうゆ醸造を行う近藤醸造の近藤寛さんは「明治41年創業で、今年は116年目。秋川渓谷とは運命共同体。これまでしょうゆを造り続けてこられたのは、美しい水と空気がある環境、大消費地の東京都内にあるという立地、そして人情ある市民、働く人たちのサポートがあったからこそ」と話した。
「檜原で林業を始めた理由」をテーマに話題を提供した林業を行う東京チェンソーズの伏見直之さんは「豊かな自然の起点の全てが森や山と知り、それを守る林業に興味を持った。東京にありながら国立公園内にある檜原村から、顔の見える林業としてその魅力を発信していきたかった」と話した。その後、参加者全員による「あなたがこの地域に住んでいる、関わっている理由」をテーマに1回目のダイアローグが行われた。
後半は各市町村長が「自身の地域の何が好きで首長になろうとしたか」「この地域がどうなっていくか」についてトーク。田村みさ子日の出町長は「昔から秋川流域は一つという言葉があった。人とのつながりが何より大切。3自治体がつながり、シナジー効果を生んで、市民が自分たちの地域を誇れる町にしていきたい」と話した。吉本昂二檜原村長は「昔は3町村合併の協議会もあった。人口が2000人を切ってしまいそうな地域。こうした場をはじめ、3市町村がつながり、一緒に事業を行っていきたい」と思いを述べた。中嶋博幸あきる野市長は「秋川渓谷がとにかく大好き。昔は閉鎖的な所もあったが、今は人が人をつなぎ、どんどん新しいことが生まれている。若い人たちが生き生きと活躍できる街にしていきたい」と話した。その後、2回目のダイアローグとして、「あなたが思う10年後の、この地域と自分」をテーマにダイアローグを行った。
最後に、有機野菜などの定期宅配サービス「らでぃっしゅぼーや」創業者で、秋川高校出身の徳江倫明さん、ジャーナリストの佐々木俊尚さんが、今回のダイアローグに対しての講評やコメントなどを話し終了した。次回は11月23日を予定している。