青梅市観光協会が9月2日・3日、1泊2日のツアー「御岳山 秋の虫の音(むしのね)鑑賞会」を行う。
会場である御岳山は、729年に行基が蔵王権現を祭ったという由来を持つ標高929メートルの霊峰。山頂には武蔵御嶽神社が鎮座する。江戸時代から御嶽講として関東一円から人々の信仰を集め、参拝者の世話をした宿坊が現在も参道沿いに軒を連ねている。
山の全域が秩父多摩甲斐国立公園内にあり、都内有数の自然の宝庫としても広く知られている。御岳山は、その美しい声から「鳴き虫の王」といわれるカンタンの貴重な生息地としても知られ、青梅市では初代市長の中村來内が1956(昭和31)年に初めてカンタンの声を楽しむ会を企画。以来、60 年以上にわたり鑑賞会が開かれてきた。
コロナ禍のため3年間中止にしていたが、今年はカンタンをはじめとする虫の音の他、青梅市在住の作家・岩下尚史さんの講演「天つ空(あまつそら)への架け橋 御岳山に舞い継がれる伝統芸能の起源」も交え、御嶽講の最上位の参拝方法である、神職たちの世襲によって江戸時代後期から変わることなく受け継がれてきた「太々神楽」を鑑賞する。
1日目は15時に御岳登山鉄道「御岳山」に集合の後、講演、御師料理の夕食、秋の鳴き虫ナイトウオーク、交流会の後、解散。2日目は朝食後、「太々神楽」を鑑賞し解散となる。募集人数は2人以上からで、定員は50人(25組)。参加費は1人1万7,000円。7月15日から受け付ける。