日の出町大久野の新井地区では今年も、縁起物の豆太鼓を作り新年を迎える。
11月から新井豆太鼓保存会の会員らが作業場に集まり、418本を全て手作りで仕上げた。福を呼ぶ豆太鼓は大みそかまでに自治会の127世帯に配布される。
有志の手で新井地区に豆太鼓づくりが復活して20年ほど。昔ながらに竹を削って柄を作り、ヒゴを編んで風車にする手の込んだ作業だ。太鼓は和紙を張り、糊のりを混ぜた赤いポスターカラーで塗装した。
赤い太鼓の表には小山兼一さんと越沼正好さんが干支(えと)の龍の絵を一つひとつ描いた。宮田政幸さんが出来栄えを点検。裏には、絆、平和、安泰、隆盛、幸福、平和など、誰もが望む一年の願い事が書かれている。
豆太鼓は長さが40センチほど。太鼓は直径12.5センチ、厚さ2.5センチで、大豆を両側に垂らし、回すと大豆が勢いよく太鼓に当たり?ポン、ポン?と軽快な音がする。昔は子どもの遊び道具だったが、「まめに働く」などの意味から商売繁盛を願う縁起物として各地に伝わった。
作業に当たった会員は28人。中には、橋本聖二町長や地元選出の浜中慈映町議の顔もあった。升田会長(86)は「皆さんの協力で作業が進んだ。昨年を上回る数を作り白山神社にも無事奉納できた」と感謝した。