「第3回奥多摩ブックアドベンチャー」が11月1日、奥多摩ブックフィールド(奥多摩町留浦)で開催される。能登半島地震被災地の蔵から持ち出された古文書を展示する。
被災した旧家の蔵の貴重な古文書を発見し、1年かけて修復・復元したのは、東京と能登で2拠点生活を送る美術家のナカムラクニオさん。ナカムラさんは同地震で輪島市門前町の自宅が被災し、破損した器を伝統技法「金継ぎ」で修復するボランティア活動を始め、これまでに100点ほどを修復し返却してきた。
旧家の蔵はナカムラさんのアトリエの隣にあり、「平家物語」「易経」「書経」「詩経」「御成敗式目」「徒然草」などを発見した。「祇園精舎の鐘の声…」で始まる「平家物語」は能登半島ゆかりの書物。壇ノ浦の戦い後、平家の武将平時忠は能登の珠洲に流され、その後、能登振興の重要な人物になったという。
このほか、江戸時代に寺子屋を通じて広く庶民に普及した古典教育の往来物(教科書)だった「易経」「書経」「詩経」武家の法令である「御成敗式目」なども初公開する。
当日13時から、「残す、直す、伝える」をテーマにナカムラさんがオープニングトークを行う。
開催時間は12時~17時。参加費は1,000円。
会場の奥多摩ブックフィールドは旧小河内小学校を再利用した蔵書、本の閲覧施設。3月~11月の第1土曜日に毎月開室している。