福生の清岩院(福生市福生)の境内にホタルが40年ぶりに復活した。昭和40年代までは、時季になると境内で見られたが、宅地化が進み、見られなくなっていた。
寺は600年続く名刹(めいさつ)。隣接する清岩院幼稚園の園庭から湧く水は、2003年「東京の名湧水57選」に選ばれる清流。これが本堂前の池に注がれる。流れ出す小川沿いがホタルの絶好の生息場所となった。
近所の井上久彌さんは、自宅の庭でホタルを育て、毎年飛ばすことに成功している。「昔のように寺のホテルを復活させたい」と昨年7月初旬、ホタルの餌となるカワニナを小川に放流。次いでホタルの幼虫350匹を放流していた。
5月10日に幼虫の上陸が確認され、6月19日には6匹が飛んだ。例年より飛び始めるのが遅く、心配したという井上さんは、ホタルの復活を心から喜んでいる。「自信はなかったが、清岩院はきれいな水と緑という、良い条件がそろっていたので、復活してくれればと思っていた」と話す。「多くの方に見てもらいたいのでく、来年も続けていきたい」とも。