あきる野の赤見家に伝わる五輪書「村上藩の剣術」、講演会で展示

五輪書の写本を館隙する鈴木さん(右)と赤見さん(中)

五輪書の写本を館隙する鈴木さん(右)と赤見さん(中)

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 あきる野市草花の赤見市郎さん(73)が所有する宮本武蔵の著した兵法書「五輪書」が10月29日に新潟県村上市教育情報センターで開かれる「村上藩の剣術」講演会で展示される。村上藩の武芸と文化を知る上で貴重な資料として注目される。

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 五輪書は、直筆は存在しないが、弟子たちにより写本が複数伝えられている。写本は大きく越前系、肥後系に分けられる。赤見さん宅に伝わるのは越前系のうち越後系写本として伝えられたもの。今年3月、近世思想研究家で宮本武蔵研究に詳しい鈴木幸治さん(63)が鑑識し、「重要な資料になる」と評価した。

 越後系写本は、武蔵の弟子、丹羽信英により伝えられた。これまで歴史資料として世に出ていたのは信英の門人の1人、渡部信行の系統のものだった。同じく信英の門人だった、村上市の赤見俊平や新発田市の伊藤理右衛門らの系統写本もあるはずと推測されてきたが、確認はされてなかった。

 赤見俊平は赤見家の祖先で、赤見家には「五輪書」のほか、武蔵の自画像などが伝えられてきた。東京大空襲のときにも、赤見さんの母親の梅子さんが大事に守ったという。

「寛永元年に赤見俊平に伝えられていることが分かる。武蔵研究に重要な資料だ」と話す鈴木さんは当日、「村上藩の宮本武蔵門流-二天流とその周辺」と題し講演する。

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