羽村取水堰、選奨土木遺産に認定-江戸の発展支えた歴史的価値評価

設置当時の投渡しの技術が今も継承される羽村取水堰

設置当時の投渡しの技術が今も継承される羽村取水堰

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 羽村取水堰(ぜき)(投渡堰)がこのほど、2014年度土木学会選奨土木遺産として都内で唯一認定された。

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 江戸の発展を支えた歴史的価値の高い施設であることに加え、設置当時の投げ渡しの技術が現在まで継承されている貴重な施設であることが評価された。同堰は羽村市の観光スポットともなっており、関係者は土木遺産としての認定を歓迎している。

 同取水堰は、江戸の急激な人口増加に伴い、市中へ水を供給するために開削された玉川上水の取水口として、1653年に設置された。多摩川の水は、現在もここから小作浄水場や東村山浄水場等に送られている。

 投渡堰の長さは約40メートルで、上部は鋼製の作業橋となっている。コンクリート製の4本の橋脚は表面が角石張りで、間に3門の堰がある。現在のコンクリート製の堰は、1909(明治42)年に築造されたものだが、仕組みは江戸時代から変わっていないという。

 公益社団法人土木学会では土木学会選奨土木遺産選考委員会を設け、社会へのアピール、土木技術者へのアピール、まちづくりへの活用などを促すことを目的に、近代土木遺産(幕末~昭和20年代)を対象として、土木学会選奨土木遺産を認定している。

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