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都内唯一の「檜原風穴」を視察 檜原村長や教育長、吹き出す冷風を体感

都内唯一の「檜原風穴」を視察する一行

都内唯一の「檜原風穴」を視察する一行

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 檜原村の吉本昂二村長、久保嶋光浩教育長、風穴研究者、地質学者など15人が参加した「檜原風穴」の視察が8月4日に行われた。風穴内の低温度や吹き出す冷風を体感。保存と活用法に思いを巡らせた。

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 風穴は山腹などにある冷風が出る場所。養蚕が盛んだった時代に蚕種(蚕の卵)を貯蔵する施設として全国的に利用された。よく知られているのが富士山の麓の「富岳風穴」。観光名所となっており、総延長200メートルの見学ルートがあり、洞穴の奥には蚕種の貯蔵庫を再現している。

 都内唯一の「檜原風穴」は柏木野集落近くから数百メートル登った山腹にある。郷土史家や研究者らの調べによると、1号から3号の風穴が確認されている。

 あきる野の「伊奈石の会」の調査では、1号は崩壊が進んでいるが、石積みから規模は推定できる。2号は1号より少し小さいが、2つの部屋に分かれているという。3号は最も大きく、石積みもよく残っている。明治後期に建設され大正時代後期くらいまで稼動していたと推測できるという。

 これまで村議会の一般質問で取り上げられたこともあり、村は自然を生かした歴史・文化的施設として、一定の価値などを認めている。ただ、私有地のため文化財指定などの際には所有者の承諾が必要になるという。

 視察当日は、外気温が35℃の猛暑の中、風穴内は8℃だったという。吉本村長は「文化、歴史的価値もあり、観光資源と活用できないか可能性を探りたい」と関心を示した。

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