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檜原村の東京チェンソーズ、「山男のガチャ」でウッドデザイン賞受賞

西多摩各所に設置されている山男のガチャ

西多摩各所に設置されている山男のガチャ

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 東京チェンソーズ(檜原村)が開発した、通常の木材市場では流通しない規格外の素材を活用したカプセルトイ「山男のガチャ」が11月24日、林野庁が進める第7回「ウッドデザイン賞 2021」ハートフルデザイン部門コミュニケーション分野で優秀賞(林野庁長官賞)を受賞した。

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 これまでの木材販売は伐採した木を丸太に加工して、原木市場へ出荷するが丸太となるのは伐採した木全体の約50%。製材所で丸太を板や柱に加工する際の歩留りは約50%。流通するのは、伐採した木全体から見ると25%となる。山男のガチャは流通から弾かれる枝や葉、根、曲がった幹、二股など、規格化できない部材も活用し、これまで捨てられていた75%を生かすことで、木1本当たりの価値を上げ、1 本の木から得られる利益の最大化を目指す取り組みの一環。

 ウッドデザイン賞は、木で暮らしと社会を豊かにするモノ・コトを表彰し、国内外に発信するための顕彰制度で、林野庁の木材利用促進事業の一つ。第7回となる今年は433点の応募があり、入賞作品191点の選考を経て、最優秀賞など上位賞25点が決定した。山男のガチャは、「木を使って人の心を豊かにし、体を健やかにしているもの」に授与されるハートフルデザイン部門での表彰となった。

 山男のガチャに入る木工商品は、同社が檜原村の森林で木を伐採し、機械加工などを行うが、伐採した木の枝の樹皮剥き、枝のカット、カプセル詰めなどは、村のシルバー世代が行う。製造過程に関わることで、地域のシルバー世代の気軽な収入源となり、設置に関する仕組みが簡単なため、全国の小規模な林業事業体でも同様のビジネスモデルの展開が可能となる。同社では「山男のガチャは無垢の木材の手触りを楽しむ生活の小さなアイテムとして楽しんでいただけるよう、新ラインアップも少しずつ増やしている。林業会社の夢と希望を詰め込んだガチャカプセル、どこかで見かけたらぜひ楽しんでほしい」と話す。

 東京ビックサイト(江東区)で12月8日~10日に開催される環境展示会「エコプロ 2021」で受賞作品を展示し、表彰式を8日に行う。

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